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2003 年度 実績報告書

選択的な高速イオン輸送を目的とした櫛形有機ホウ素高分子固体電解質の合成

研究課題

研究課題/領域番号 15750152
研究機関東京農工大学

研究代表者

松見 紀佳  東京農工大学, 工学部, 助手 (40323745)

キーワードイオン伝導性高分子 / 有機ホウ素高分子 / シングルイオン伝導体 / 櫛形高分子 / エネルギー貯蔵
研究概要

ポリエチレングリコールモノメチルエーテルに対して過剰量のボラン・テトラヒドロフラン錯体を反応させ、ポリエチレンオキシド鎖を有するヒドロボランモノマーを合成したのち、THF溶液中トリエチレングリコールとの脱水素カップリング重合を行うことによって、側鎖にポリエチレンオキシド鎖を有する櫛形有機ホウ素高分子を61〜76%の収率で合成した。構造は^1H-、^<11>B-NMRスペクトルにより決定した。種々のリチウム塩の存在下で得られた高分子のイオン伝導度を交流インピーダンス法により測定した。側鎖にトリエチレンオキシド鎖を有する系では、ホウ素に対し80mol%のLiTFSIの存在下で50℃において6.19x10^<-6>S/cmのイオン伝導度を示し、LiBrやLiCF_3SO_3を添加した系よりも高い値であった。また、側鎖長を変化させたところ、より長いPEO側鎖を有する系において、高いイオン伝導度が観測された。この挙動は以前に報告されている櫛型ポリホスファゼンや櫛型ポリシロキサンの場合と異なっているが、本系においては側鎖の密度が低いことが一つの原因と考えられる。PEO550を側鎖に有する高分子は50℃において8.48x10^<-5>S/cmのイオン伝導度を示した。これらの値は、以前に報告した直鎖状有機ホウ素高分子の場合と比較して改善されている。また、櫛型有機ホウ素高分子に関してリチウムイオン輸率の測定を行なったところ、LiCF_3SO_3を用いた系において30℃において0.38と、直鎖状有機ホウ素高分子と比較して遜色のない値が得られている。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 松見紀佳, 水雲智信, 大野弘幸: "Preparation of Comb Like Organoboron Polymer Electrolyte without Generation of Salt"Chemistry Letters. Vol.33. 372 (2004)

  • [文献書誌] 水雲智信, 坂本謙治, 松見紀佳, 大野弘幸: "Facile Preparation of Anion Trapping Polymer Electrolytes by Reaction Between 9-Borabicyclo[3.3.1]nonane(9-BBN) and Poly(propylene oxide)"Chemistry Letters. Vol.33. 396 (2004)

  • [文献書誌] 松見紀佳, 水雲智信, 大野弘幸: "Single Ion Conductive Characteristics of Poly(organoboron halide)-imidazole Complex"Polymer Bulletin. (印刷中). (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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