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2003 年度 実績報告書

イオン性液体を用いる不燃性二次電池の創製

研究課題

研究課題/領域番号 15750158
研究機関東京理科大学

研究代表者

宇井 幸一  東京理科大学, 理工学部工業化学科, 助手 (60360161)

キーワード常温型溶融塩 / イオン性液体 / リチウム二次電池 / 電解液 / 不燃性 / 炭素 / アルミニウム / LiCoO_2
研究概要

AlCl_3-1-ethyl-3-methylimidazolium chloride(EMIC)常温型溶融塩(イオン性液体)を電解液に用いる不燃性リチウム二次電池の創製を行った。今年度は電解液の物性、負極特性、正極特性について検討した。電解液としては、AlCl_3-EMIC2元系浴(52mol%≦AlCl_3≦66.7mol%)にLiClを飽和溶解度添加し、微量のSOCl_2を添加したAlCl_3-EMIC-LiCl_<sat.>+SOCl_2を用いた。物性としては、凝固点・ガラス転移点、密度、粘度、導電率について調べた。凝固点・ガラス転移点は-15℃〜-90℃(ガラス転移点)であり、AlCl_3-EMIC2元系浴と比較して、ほとんど変化が見られなかった。密度は1.3〜1.4g/cm^3(25℃)、粘度は20〜31mPa・s(25℃)を示し、Li^+濃度が高い組成ほど、密度、粘度は高くなることが分かった。また、導電率は10〜18mS/cmを示したが、密度・粘度とは逆にLi^+濃度が低い組成の方が高くなることが分かった。よって、室温領域にて電解液として使用できることが明らかとなった。
負極の検討としては、炭素材料として、天然黒鉛、ソフトカーボン、ハードカーボンを用いるとともに、炭素材料より高容量となり得る合金系材料(アルミニウム)を検討した。さらに、バインダーを使用しない負極を開発すべく、炭素負極は泳動電着法で、Al電極は電気めっき法で作製し、本浴中にてこれらの電極が負極として作動することを見い出した。
正極特性の検討にはLiCoO_2電極を用いた。C.V.測定により、3.5〜4.2V vs.Li^+/Liにおいて、LiCoO_2電極へのLi^+の挿入・脱離反応に対応する酸化還元波が現れたことから、LiCoO_2電極が作動することが分かった。さらに、浴組成が電極特性に及ぼす影響を調べたところ、放電容量、充放電効率に大きな違いは見られなかったが、過電圧はLi^+濃度が高くなるにつれて小さくなった。以上のことから、Li^+濃度が高い組成を使用することにより、作動電圧3.2〜3.7Vの不燃性リチウム二次電池を作製できることが明らかとなった。

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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