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2003 年度 実績報告書

有機EL媒質を含むナノキャビティにおける2次元光波の励起と制御

研究課題

研究課題/領域番号 15760006
研究機関大阪大学

研究代表者

高原 淳一  大阪大学, 基礎工学研究科, 助教授 (90273606)

キーワード低次元光波 / ナノフォトニクス / 有機EL / 負誘電体 / 近接場光学 / ナノ光回路 / ナノキャビティ
研究概要

2次元光波は原理的にはナノ光ビームを形成可能であり、ナノ光回路を実現するものとして期待されている。しかし、2次元光波は外部光である3次元光波と波数が大きく異なるため、3次元光波とのコヒーレント結合が困難である。この問題を解決するため我々は2次元光波源を提案してきた。本研究では構造の類似した有機EL素子を用いて2次元光波源を実現することを目標に研究を行い、以下のような成果を得た。
有機EL媒質を負誘電体ではさんだ負誘電体ギャップ導波路からの電流励起発光について実験を行った。有機EL媒質の膜厚は100nmと通常より非常にうすく、それぞれ電子輸送層Alq3、電子輸送性発光層DPQドープAlq3、正孔輸送層α-NPDの3層構造をとる。DPQドープを行ったのは、発光波長を長波長シフトさせるためである。電流励起による安定した端面発光に成功し、スペクトルと偏光を測定した。DPQドープAlq3は中心波長570nmの黄色発光を示し、偏光はTMモードの電場方向と同様の方向を示すことがわかった。
同時に、従来の2界面モデルを拡張して3界面モデルの負誘電体ギャップ導波路のモード計算を行い、導波路中の2次元光波のモードを理論的に詳しく調べた。その結果、3界面モデルの負誘電体ギャップ導波路には2界面モデルで知られているギャップ厚を0にする極限で、波数をいくらでも大きくできる2次元光波に加えて、波数が誘電体中の波数になり誘電体中に拡がる2次元光波が伝搬することがわかった。このモードを抑制することがナノ光回路を実現するためには重要である。
今回作製した負誘電体ギャップ導波路は、モード計算より2次元光波のみが伝搬できるので、偏光の原因は電流励起により2次元光波が励振されたためであると考えられる。これにより2次元光波源からの安定な2次元光波の発生に成功したといえる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] J.Takahara: "Polarized light emission excited by surface plasmon polariton in nano metal-gap structures"Technical Digest of International Quantum Electronics Conference 2004. (発表予定). (2004)

  • [文献書誌] 高原淳一: "低次元光波伝送路"OplusE. 26・4(発表予定). (2004)

  • [文献書誌] 高原 淳一(分担): "ナノテクノロジーハンドブック3編 2章「キャビティ構造性光源」"オーム社. 4 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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