計算科学的手法を用いた知性的光脳機能計測

2003 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 15760026
• 研究機関: 筑波大学
• 研究代表者: 安野 嘉晃 筑波大学, 物理工学系, 助手 (10344871)
• キーワード: 光コヒーレンストモグラフィー / フーリエドメイン / 高速 / 生体 / 断層 / OCT / 共焦点 / 収差

研究概要

神経内部を伝達する電気信号、及び、それにより誘起される屈折率変化を実時間に計測することを目的とし、高速なフーリエドメイン光コヒーレンストモグラフィー(OCT)システムを作成した。本システムはスペクトル領域でOCT信号を計測することで、OCT計測のために必要な軸方向走査を回避し、また、各計測システムを同期させることで高速なOCT計測を可能にしている。これにより、1024pix×514pixの高解像度生体断層画像の秒間10フレームという高フレームレートで計測が可能となった。また、本システムは、4万ライン/秒での奥行き方向の高速一次元計測も可能としている。さらに、本システムは非接触、非破壊での生体内部計測を可能としており、これにより、神経組織内部での奧行き方向の信号伝達が直接的に実時間で計測可能になるものと思われる。
また、上記システムと並行し、空間的に高精度な生体計測を目的とし、ドイツStuttgart大学と共同で動的収差補正システムの開発を行った。本年度はその一環として、極めて少ない付加的な光学装置、及び、計算時間で光波面の収差量を同定する手法を開発した。また、その波面評価手法を用いて動的に収差を補正する共焦点顕微鏡のプロトタイプを作成した。このシステムを用いることで、球面収差を誘起するような屈折率不整合媒質の下部に存在する物体の表面を球面収差を動的に補正しながら計測することに成功した。

研究成果

• [文献書誌] T.Wiesendanger, Y.Yasuno, A.Ruprecht, T.Yatagai, H.J.Tiziani: "Characterization of Microoptic Arrays by Evaluation of the Axial Confocal Response."Optical Review. Vol.10 No.4. 301-302 (2003)
• [文献書誌] Y.Yasuno, T.Wiesendanger, A.Ruprecht, T.Yatagai, H.J.Tiziani: "Determination of Aberration Coefficient of Microoptic Arrays from Axial Confocal Response by Neural Method"Optical Review. Vol.10 No.4. 318-320 (2003)
• [文献書誌] S.Makita, Y.Yasuno, Y.Satoh, M.Itoh, T.Yatagai: "Polarization-Sensitive Spectral Interferometric Optical Coherence Tomography for Human Skin Imaging"Optical Review. Vol.10 No.5. 366-369 (2003)
• [文献書誌] Y.Yasuno, Y.Satoh, S.Makita, M.Itoh, T.Yatagai: "Polarization Sensitive Spectral Interferometric Optical Coherence Tomography for Biological Samples"Optical Review. Vol.10 No.5. 498-500 (2003)
• [文献書誌] 安野嘉晃: "高速スペクトル干渉光コヒーレンストモグラフィーによる生体組織の複屈折計測"O plus E. 2003年11月号. 1254 (2003)
• [文献書誌] Y.Yasuno, T.Wiesendanger, A.Ruprecht, S.Makita, M.Itoh, T.Yatagai: "Wavefront-flatness evaluation by wavefront-correlation-information-entropy method and its application for adaptive confocal microscope"Optics Communications. Vol.232 No.1-6. 91-97 (2004)