研究概要 |
Yb熱拡散ニオブ酸リチウム(LiNbO_3)導波路レーザに関して、実施計画に従って研究を遂行し以下の成果を得た。 1)高出力デバイス設計:100mW単一横モード半導体レーザを励起光源として用いる事を前提とし、昨年度開発したYb導波路レーザシミュレータを用いて、昨年度収集した導波路基礎特性と、基礎レーザ特性に基づいた、高出力デバイスの設計を行った。共振器長さL=17mm、共振器鏡反射率R=60%とすると、閾値40mW、レーザ出力(100mW励起時)20mWが期待できることが分かった。 2)デバイス作製と評価:1)における設計に基づいてデバイスを作製し,その評価を行った。閾値励起光パワー58mW、75mW励起時のレーザ出力として0.4mWが得られた。このレーザ出力は昨年度の実績(80mW励起時に出力1μW)の400倍以上の値である。100mW励起に対しては1mW以上の出力が期待される。シミュレーション設計との不一致は、導波路内でのLiNbO_3結晶の光損傷に起因している恐れがある。光損傷耐性に優れたMgO添加LiNbO_3結晶を用いるなどの対策が必要である。 3)高出力ブロードストライプ半導体レーザで励起する高出力Yb : LN導波路レーザ実現の検討:高出力導波路レーザの導波路構造として当初想定していたダブルクラッド構造は、文献調査などにより、大きな優位性が得られないことが分かった。そこで、新規導波路構造としてY型テーパ付ブロードストライプ導波路を考案した。
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