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2005 年度 実績報告書

遷移金属化合物における熱電応答の理論的研究

研究課題

研究課題/領域番号 15760036
研究機関東北大学

研究代表者

小椎八重 航  東北大学, 金属材料研究所, 助手 (20273253)

キーワード強相関電子系 / コバルト酸化物 / 一粒子励起スペクトル / 篭目格子
研究概要

六方晶系のCoO_2層を含むコバルト酸化物は,巨大な熱電応答,巨大な磁気応答,強磁性,さらには超伝導と,極めて多彩な電子状態の舞台を与える.寺崎らがNa_xCoO_2に巨大な熱電応答を発見したときには,すでに,この物質のゼーベック係数とホール係数が室温以下の温度領域で異なる符号を示すことが知られていた.CoO_2層を含むコバルト酸化物が示す電子状態の理解に,一電子近似のみを用いた考察が破綻するのは明らかである.我々は,この系の磁性と伝導におけるクーロン相互作用の効果を調べるために,磁気励起と一粒子励起スペクトルの数値的研究を行っている.
我々はこれまでの研究で,CoO_2層の電子状態は,結晶格子とは異なる,いわゆる篭目格子の中に,その基礎を置くことを示してきた.我々は,数値モンテカルロ法を用いて,篭目格子と三角格子の磁気励起を調べた.その結果,篭目格子の短距離磁気相関は,三角格子のものに比べて著しく強調されることが明らかとなった.
一電子近似の範囲では,篭目格子の一粒子励起スペクトルは,電子の飛び移り積分の符号に強く依存する.しかし,電子間のクーロン相互作用が大きいとき,一粒子励起スペクトルの低エネルギー成分は,一電子近似の結果とは全く異なる振る舞いをすることが明らかとなった.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Magnetic Correlations in the Hubbard Model on Triangular and Kagome Lattices2005

    • 著者名/発表者名
      N.Bulut
    • 雑誌名

      Physical Review Letters 95

      ページ: 037001-1-037001-4

URL: 

公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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