研究概要 |
粒子画像計測法(PIV,PTV)は、流速の瞬時空間分布を測定でき、流体の力学的評価に資する実験データを得られる計測手法として幅広く用いられるようになった。しかし、現在市販されている粒子画像計測法では、瞬時速度場の3軸方向成分を3次元空間内で得ることはできない。本研究では、3軸方向速度の3次元分布を測定できる粒子画像計測手法を構築し、その実用性を評価することを目的とする。 本年度実施した内容を以下に示す。 1)3軸方向速度成分の3次元空間分布測定を可能とする計測手法(以下、3次元粒子画像流速計測システムと呼ぶ)を考案した。本手法は、従来のスキャン光学系やホログラム光学系に比べ単純な光学系で3次元計測を行え、完全な同時刻計測が可能である。 2)3次元粒子画像流速計測システムの光学系を設計・開発し、その性能を評価した。その結果、本光学系が流体中の粒子を鮮明に可視化できることを確認した。 3)光学系を制御するソフトウエアおよび得られた画像データから粒子の3次元位置を評価するソフトウエアを開発した。また、実際に撮影した粒子画像から粒子の3次元位置を算出した結果、本光学系およびソフトウエアにより流体中の粒子の3次元位置を精度良く測定できることを確認した。 4)以上で得られた3次元粒子位置情報から3軸方向速度の3次元分布を算出する相間アルゴリズムを開発した。また、模擬画像を用いたベンチマークテストを実施し、その基本性能を確認した。 次年度は、実際の流れ場に上記システムを適用し、必要な改良を行うことにより、3次元粒子画像流速計測システムを完成させる。
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