研究概要 |
本研究の目標は,(1)自励振動型ヒートパイプにおける振動特性および熱輸送特性、(2)マイクロ自励振動型ヒートパイプにおける振動特性および輸送性、(3)感温、感圧染料を用いた温度と圧力の画像計測手法(LIF)の開発、下記の3つに大別されるため,本年度は各項目につき以下の結果を得た。 (1)3ターン・ループ型自励振動ヒートパイプ(ガラス蛇行管)を作成し、内部の温度変動、圧力変動、および熱輸送量を計測する実験を行った。各変動量のウェーブレット解析を行い周波数の時間変動を求め,蒸発・凝縮による自励振動メカニズムと熱輸送メカニズムについて考察を行った。その結果、内部変動において低自由度のカオス現象が発見されたため,現在詳細なカオス解析を行っている。 (2)試作器として蛇行状溝付き銅板を基盤とした自励振動型マイクロヒートパイプを作成し、内部変動、および作動流体の封入率と熱抵抗の関係について実験を行った。その結果,マイクロ熱輸送デバイスとして機能することを確認した。今後は、ガラス基盤の自励振動型マイクロヒートパイプを作成し、画像計測を行う。 (3)マイクロ流路内熱流動現象の画像計測手法の確立を目指し、感温・感圧染料を用いた温度と圧力の画像計測手法(LIF)の開発と,2色の蛍光剤を用いて非温度依存性感圧塗料の作成し,実際に温度に依存せず圧力画像計測が可能であることを確認した。今後,この計測法を応用し,温度と圧力の分離同時画像計測法の確立を行い、マイクロ現象に適応する。
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