研究課題
圧縮性乱流渦の音波放出性・受容性について、昨年度に引き続き研究を行った。研究の主な手段は一様等方乱流の直接数値計算と渦の同定・可視化手法である。今年度は、昨年度実行した減衰性一様等方乱流の数値計算(格子点数1024^3)で得られたデータについて詳細に調べた。また、圧縮性渦の運動解析の応用として、核融合実験装置LHD中の圧縮性MHD方程式直接数値計算を行い、そこに現れる圧縮性渦の発生と挙動について調べた。格子点数1024^3の圧縮性・減衰性一様等方乱流の直接数値計算データより渦を同定し、その渦上に現れる音響的な振動構造(渦波)について詳細な解析を行った。渦波の伝播を個別追跡し、その分散関係を調べたところ、大別して2種類の波動が混在していることがわかった。一方は音波の分散関係に従い、他方は非圧縮性渦波の分散関係に近いものであることがわかった。LHD中の圧縮性MHD方程式の直接数値計算では、圧縮性の存在が不安定性の成長率を非圧縮性の場合の1/3まで低下させるなど、これまでの圧縮性乱流で得られた結果と同様の結果が得られた。この圧縮性を伴う渦の運動により圧力の流体運動的輸送が行われ、不安定性の非線型飽和に繋がることなどを明らかにした。
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Journal of Plasma Fusion and Research Series (To appear)
Turbulence X (Proceedings of the Tenth European Turbulence Conference, International Center for Numerical Methods in Engineering)
ページ: 115-118