研究概要 |
平成15年度は,凝固時に生じる微粒子の掃き出し・捕捉現象に及ぼす電気二重層力に着目して理論的・実験的に検討を進めた.具体的には,ガラス粒子およびガラス粒子よりも高い表面電位を有するベントナイト粒子を用いて掃き出し・捕捉挙動実験を行い,掃き出し・捕捉挙動に及ぼす粒子表面電位の影響について検討した.また,電場付与による微粒子の掃き出し・捕捉の制御の可能性についても検討した.さらには,液体中に溶存している気泡も液体中の微小粒子と考えることが可能であり,溶存気泡の掃き出し・捕捉挙動についても検討した. 以下に検討事項を示す。 1.ガラス粒子-水系の一方向凝固実験を行い,粒子の掃き出しおよび捕捉現象を凝固速度および粒子径と関係づけて検討した. 2.凝固時に生じる微粒子の掃き出し・捕捉の挙動を,Poisson-Boltzmann方程式から電気二重層斥力,分子間相互作用を表すHamaker定数にLifshitz理論を適用してvan der Waals力を求め,さらには,粘性抵抗力,重力を加えたモデルにより粒子の掃き出し限界となる凝固速度を理論的に明らかにし,合わせて実験結果と比較検討した. 3.表面電位が高い性質を持つベントナイト粒子を用いて凝固時における掃き出し・捕捉実験を行い,ガラス粒子との比較検討を行った. 4.電場付与による微粒子の掃き出し・捕捉挙動の制御の可能性を考え,電場付与時における液体中の微粒子沈降実験および掃き出し・捕捉実験を行い,電場付与による効果について検討した. 5.気泡を含む液体の一方向性凝固実験を行い,気泡の掃き出し・捕捉現象を凝固速度,気泡径,凝固方向,および溶存気泡濃度と関係づけて検討した.
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