予備実験として、狭小流路内で紙および木質系の薄板を燃焼させた場合に発生する燃焼界面のフィンガリング現象について、自然対流の効果が燃焼界面に与える影響について検討を行った。その結果、自然対流の影響が大きくなると、燃焼界面にはフィガリングが発生しなくなり燃焼速度も増大することがわかった。本申請課題は、上記の対象とは別のフィールドであるが、発熱反応を伴う2流体界面においても同様な現象が発生するものと考えられる。そこで先ず、発熱反応における液相せん断界面の振動現象を観察するために、実験装置の製作を行った。実験装置は、平板間を流れる層流せん断層を用い、長さ3000mm、深さ100mm、幅20mmのアクリル樹脂製の矩形パイプを垂直に設置した構造のものを組み立てた構造である。 また、反応系としては以下の発熱中和反応を考える。 HCl+NaOH→NaCl+H2O-55.6kJ/mol 特に今年度は、先ず液相せん断界面での振動現象を観察するため、2流体を効率よく接触させるための実験装置の製作を行い、実際に基礎実験を実施した。具体的にはフェノールフタレイン試薬を使用して、画像処理を介してパーソナルコンピュータ内で液体せん断流の振動現象を捉え、その映像をディジタルビデオカメラにて撮影を行った。
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