昨年度は、狭小流路内で紙および木質系の薄板を燃焼させた場合に発生する燃焼界面のフィンガリング現象について、自然対流の効果が燃焼界面に与える影響について検討を行った。その結果、自然対流の影響が大きくなると、燃焼界面にはフィガリングが発生しなくなり燃焼速度も増大することがわかった。本申請課題は、上記の対象とは別のフィールドであるが、発熱反応を伴う2流体界面においても同様な現象が発生するものと考えられる。そこで先ず、発熱反応における液相せん断界面の振動現象を観察するために、実験装置の製作を行った。実験装置は、平板間を流れる層流せん断層を用い、長さ3000mm、深さ100mm、幅20mmのアクリル樹脂製の矩形パイプを垂直に設置した構造のものを組み立てた構造である。 今年度は上記の実験装置を用いて、液体せん断流の振動現象をディジタルカメラにて撮影を行い、実際に液体せん断流が生じている界面近傍で振動現象が発生していることを確認した。また、このような現象が発生している周囲環境下の温度場(熱電対)および速度場(LDV)の同時計測を行なった。その結果、熱電対からの温度波形信号とLDVからの速度波形信号は相対的に変動していることがわかった。
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