研究課題
本研究では、拘束を伴う手作業時の人間の手先での力・位置情報の計測により、ロボットに対して同作業を行う動作教示を実現し、これによって人間の技量修得を研究目的とした。ここで、人間の作業技量の源はその力情報に隠されていると考え、外部環境との拘束を伴う作業をロボットへ教示することを中心に研究を進めた。具体的には、得られる人間の作業データの特徴をつかみ、それをロボットのプログラムに変換するためのアルゴリズムおよび変換規則の手法を追求する。また、その実現のために必要となる、実際に人間の行う手作業技量データを収集、解釈し、ロボットへ作業教示が可能なシステムを開発する。さらに、実際にロボットによる拘束作業を再生し、人間の技量の実現を狙うという研究計画に取り組んだ。平成17年度は、平成16年度までに構築してきたロボットへの作業動作教示・再生システムを利用し、実験によってその有効性を検証し、さらなるシステムの改善を目的とし、特に、取得される肘および肩の位置情報、手先での位置・力情報から人間の作業動作の特徴点を位置づけること、求めた特徴点より得られる知見に基づいて、ロボットへの作業教示動作の生成アルゴリズムの改善を図ることに注力した。また、この研究によって得られた知見を活かし、パラレルロボットだけではなく、遠隔操作される双腕ロボットでの動作生成や、ヒューマノイドロボットによるインパクト動作の生成を応用事例として行った。本年度までの研究結果により、人間の動作情報に含まれる特徴点をオペレータによるオフライン作業教示によってロボットへの動作指令に取り込み、実際のロボットによる作業動作の再生に利用するロボットシステムの開発が行えた。今後は、この部分のシステム機能の改善によって、ロボットの制御則を考慮した教示動作の変換アルゴリズムを検討し、さらに、作業者と作業を実現するロボットの動力学パラメータを自動的に変換し、整合性を取る運動生成ソフトウェアの研究および開発を行わなければならない。
すべて 2006 2005
すべて 雑誌論文 (2件)
Proceedings of the 2006 IEEE International Conference on Robotics and Automation (ICRA 2006) (to be published)(印刷中)
Proceedings of 36^<th> International Symposium on Robotics
ページ: 1788-1793