研究概要 |
1.介護支援を目的として,病人の食事を支援できるような空気圧によって駆動される3自由度小型マニピュレータの基本的な構造を設計した.マニピュレータの駆動には低摩擦型のエア・シリンダを使用し,シリンダの左右の気室に供給する空気の圧力をエア・レギュレータによって制御する構造とした.シリンダは圧力差によって力を発生するが,圧力のバイアス分によって外力に対する硬さの特性が変化するという特徴をもつため,この性質を利用して関節に受動的な柔軟性を持たせるものとした. 2.これまで当研究室で使用していたものよりも小型で高性能なエア・レギュレータが製品化されたため,これを新規に購入し,新規に組み立てた制御用のコンピュータや新規に購入したインタフェースボードと組み合わせてマニピュレータの駆動系を構築した.制御系の構築には無料で使用できるリアルタイムOSである,RT-Linuxのバージョン3を新たに採用した. 3.エア・レギュレータの基本的な性能を測定するための実験装置を製作し,入力電圧-出力空気圧間の静特性,時間応答特性などを計測した. 4.計測したデータから、エア・レギュレータの入出力に関する動力学特性のモデルを構築し,そのパラメータの同定を行った.特に,圧力を増加させる際と減少させる際で時間応答特性が異なることが確かめられたので,状況に応じてモデルを切り替える手法を検討した. 5.数種類の異なる内径を持つ低摩擦型エア・シリンダを購入し,エア・レギュレータと組み合わせて制御した場合の動特性と,外力に応答する際の受動的な特性であるコンプライアンス特性を計測した.
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