昨年度までの視線検出用カラーコンタクトレンズの基本設計を基に、本年度は応用に向けた研究を展開し、更なる視線検出用カラーコンタクトレンズの検出精度向上に向けた改善を行った。具体的には、次の内容について研究を進めた。 1)被験者の違い・照明条件の違いによる検出精度低下の改善 本手法の実用的なレベルでの応用を考えると、被験者の違いによる検出精度のばらつきは最小限に抑える必要があり、また、照明条件の変化などの外乱に強いロバスト設計が必須である。前年度の基本設計により得られた視線検出用カラーコンタクトレンズを用いて、複数の被験者で、照明条件の異なるサンプルデータをもとに、視線検出精度向上のアルゴリズム開発を行った。 2)視線入力システムインタフェースの開発 本年度は、本手法を応用した視線入力システムインタフェースの基本設計を行った。第一段階として、視線によるカーソル制御を可能とするインタフェース開発を目的とし、ハードウエアの構築し、視線入力システムのためのプログラミング設計を行った。 3)視線入力用カラーコンタクトレンズの改善 これまで研究を行ってきた視線検出用カラーコンタクトレンズのマークの色、形状、配置などの基本設計を基に、更なる視線検出精度の向上・安定化を図るために、コンピュータグラフィックスを用いて検討を行った。一例として、円形状のマークが画像平面に射影されたときの楕円の歪みを利用し、楕円の長短軸の比からコンタクトレンズの法線ベクトルを求めた。
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