圧電素子のオンオフ制御により駆動するミニチュアロボットの動作を解析した。このミニチュアロボットは正三角形状に配置された3本脚により支持され、各脚の間に積層圧電素子がはめ込まれている。各圧電素子はオンオフ制御され急速に変形する。制御信号を変えることにより、直進動作と回転動作を行う。ミニチュアロボットは、電気信号を変化させるだけで移動方向を変えるため、外部からの配線の張力の影響により動作しているとは考えられない。これまでに各脚の動作を3個の非接触変位計を用いて計測し、圧電素子の伸縮が各脚の動作に与える影響を明らかにした。その結果、脚の動作とミニチュアロボットの動作の関係を明らかにした。制御信号と逆向きの方向に動くことがあるため、統計処理を行った。回転動作に関しては、右回転信号を入力したとき制御信号に従って回転したが、左回転入力に対して右回転を行うケースが多かった。さらに、ミニチュアロボットに位置検出素子(PSD)を搭載して、位置と姿勢の計測を行った。回転信号を入力されたミニチュアロボットは、回転を行いながら重心位置が移動していることが明らかになった。機械的な案内を持たないミニチュアロボットの位置と姿勢を制御するためには、フィードバック制御が必要であることが明らかになった。直進変位を計測した結果、移動方向によって移動量が異なることが明らかになった。これは圧電素子の伸縮量の個体差の影響と考えている。
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