研究概要 |
1.CF_4分解副生成物の同定 放電プラズマによりCF_4処理を行う際に,希釈ガスとしてAr,N_2および空気を導入し,発生する副生成物の種類をFTIRおよび発光分光法を用いて同定した.その結果,放電領域ではCF,CF_2,N等のラジカルやイオンのみが観測されたが,放電リアクタから大気へ放出される排ガス中は主にCOF_2,CHF_3,C_2F_6等の安定な分子性ガスから構成されることが分かった.特にCOF_2は次世代のエッチングガスとされており,回収することにより再資源化可能である. 2.放電パラメータとCF_4分解率および副生成物発生量との相関 大気圧沿面放電のパラメータとCF_4分解率および副生成物発生量との相関を調べた結果,CF_4分解率は電極印加電圧にほぼ比例して増加し,サンプルガス流量の増加とともに減少する.副生成物発生量は電極印加電圧に顕著に依存し,電圧とともに二次関数的に増加する領域があることが分かった.これは,沿面放電より発生する熱がCF_4の分解に寄与したものと考えられる.また,CF_4分解効率(CF_4分解量/消費電力)は最大で0.6g/kWh(95%分解時)となり,現在実用化されている分解技術と同レベルである. 3.大気圧プラズマの電子エネルギー計測法の設計および電子密度測定 大気圧プラズマ中の電子のエネルギーを把握するために,差動排気型のエネルギーアナライザーを設計した.エネルギーアナライザー本体は直径5mm,高さ3mmとし,アナライザー内部は粒子が無衝突となる0.01Pa以下に排気する.また,大気中でのラングミュアプローブ特性を計測し,電子密度の導出を試みた.
|