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2003 年度 実績報告書

複合酸化物薄膜の成長過程における触媒作用の解明

研究課題

研究課題/領域番号 15760224
研究機関芝浦工業大学

研究代表者

山口 正樹  芝浦工業大学, 工学部, 講師 (70311975)

キーワード複合酸化物薄膜 / 機能性材料 / 低温合成 / 触媒作用 / 有機金属分解法 / 原料交互塗布 / インクジェットプリンティング法 / 傾斜機能
研究概要

複合酸化物薄膜は,強誘電性,複屈折率,圧電効果,電歪効果など,さまざまな機能を有している材料であり,不揮発性メモリや光学フィルタ,アクチュエータなどへの応用が検討されている.本研究では触媒作用を用いることにより,複合酸化物薄膜の低温合成を行い,そのメカニズムについて検討を行うものである.
本研究ではチタン酸ビスマス(BiT)をおもな対象とし,有機金属分解(MOD)法によりシリコン基板上に形成した.酸化ビスマスおよび酸化チタンを含むMOD溶液を混合し,スピンコート法により前駆体膜とした.目的のBiT薄膜は,前駆体膜を酸素雰囲気中で結晶化処理することにより得た.また触媒材料は酸化シリコンとし,酸化シリコンを含むMOD溶液をコーティング液に混合することで,BiT薄膜の低温合成について評価した.
平成15年度は,MOD法におけるBiT薄膜の合成において,その結晶内における元素配置を考慮した原料交互塗布,ならびに塗布溶液中に酸化シリコン(SiO)を添加した場合について検討を行った.原料交互塗布では,酸化ビスマス(BiO)層と酸化チタン(TiO)層の塗布順序により,BiT膜の結晶性ならびに誘電特性が変化することを確認した.BiO層が表面に存在する薄膜は結晶化温度が高く,また結晶粒成長が促進されるために絶縁耐圧が低くなる傾向が認められた.これらの詳細について応用物理学会などで口頭発表するとともに,Jpn.J.Appl.Phys.にて論文発表している.また,SiO添加効果について検討を行い,20%程度の添加において結晶性の改善ならびに結晶化温度の低減を確認するとともに,過剰添加では誘電特性が劣化することを見いだしている。この結果について,電子情報通信学会研究会において口頭発表している.
以上の結果から,原料交互塗布による薄膜特性の改善の可能性,なちびにSiO微量添加による薄膜合成温度の低減が示唆されたことから,膜内で組成分布をもたせた傾斜機能を有する複合酸化物薄膜を形成するため,インクジェットプリンティング法について併せて検討を行っている.

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Masaki Yamaguchi, Yoichiro Masuda: "Preparation of Bismuth Titanate Thin Films by Alternately Applying Metal-Organic Decomposition and Their Properties"Japanese Journal of Applied Physics. 42・9. 5973-5976 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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