研究概要 |
平成15年度における研究成果は,主に,次に述べる3点について得られた. 1)画像のエッジ抽出を実現するためのハイパス的な周波数特性を有するGWMフィルタの設計法,2)雑音で劣化した画像信号の強調処理,復元処理に最適なGWMフィルタの設計法,3)最適なゲイン値を調整するGWMフィルタ処理. 1)では,フィルタ設計の具体的方法として,観測される画像信号を,フィルタ窓内の標本信号ごとに周波数特性,統計的性質に応じてクラスタリングを行い,それぞれのクラスに対して最適なフィルタ構成,および,フィルタ荷重を設計する手法を提案し,その有効性を検証した. 2)では,エッジ抽出技法を利用した画像強調処理について検討した.画像の強調においては,信号の直流成分を保存しながら高周波成分を増幅する周波数特性が必要となる.そこで,ローパスフィルタとハイパスフィルタの役割を果たすGWMフィルタをそれぞれ別個に用意し,それぞれに望まれる周波数特性を有するようにフィルタ設計した.雑音除去を果たしながらボケの劣化を取り除く画像復元フィルタを実現した.画像復元においても画像強調手法と同様に,雑音除去を目的とするローパス特性を有するGWMフィルタと,ボケを取り除く逆フィルタとしての役割を果たすハイパス特性を有するGWMフィルタに分け,それぞれのフィルタを設計した後,フィルタ処理を施す処理を提案し,その有効性を検証した. 3)では,出力値のゲインを最適に調整する機能を有した画像処理のためのフィルタ処理を実現し,その画像処理への有効性について検証した.
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