研究概要 |
マルチホップ無線ネットワークは,端末の位置のランダム性,端末の移動等により,常に連結であるとは限らない.そのため,本研究では,インフラとしての移動基地局を導入し,ネットワークの連結度を低くしている領域に,自律的に移動する移動基地局を自動的に配置し連結性が高めることを考え,平成16年度は以下の成果を得た. 1.昨年度から継続し,移動基地局(中継局)配置の候補点を与え,同時に設置できる移動基地局数を与えた場合に,移動基地局以外の端末の連結度をできるだけ高くするように設置場所を選択するための手法を開発した.端末分布のサンプルデータを利用して移動基地局配置を最適化することを考え,遺伝的アルゴリズムに基づく新しい移動基地局配置手法を提案し,その有効性を示した. 2.端末間に少なくとも一つの経路があることを保証するだけではなく,複数の経路を確保しやすくするための中継局配置手法を開発し,その有効性を示した.この手法は中継局が故障した場合の連結度確保に有効である. 3,昨年度検討できなかった様々な端末の移動パターンに対する中継局配置手法の性能評価を行った. 4.センサネットワークのように基地局が存在するマルチホップネットワークを想定し,端末間の連結度だけではなく,端末と基地局の間の連結度を向上させるための中継局配置手法について検討した. 5.サービスエリアの拡大に対応するための中継局の追加配置について検討し,有効な手法を示した. 6.上記の結果を考慮し,移動基地局が自らを必要とする領域を自律的に発見し,その近辺の端末と協調し信頼性の高いネットワークを構成するための移動基地局の動的配置手法の開発も,昨年度から継続して行った.
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