研究課題
平成16年度は以下の3つのサブテーマについて研究成果を得た。・高変動・不均質デマンド環境に適した新バンドル方式の詳細設計と所要波長数、波長ブロック率の評価各光パスへの波長群資源の配分設計問題におけるトラヒックデマンドの動的変動に対する脆弱性を改善すべく、2階層型波長群パス設定法を提案した。本設定法では、全リンクに対し波長軸上での統一境界を確保し、各波長群パスは境界に接する形で波長資源を割当てられる。境界部分に波長資源マージンを設定するというアイデアにより、トラヒック変動に強靭なネットワークが構成できることを実証した。・マルチキャストグループの分割化による効率配信方式の提案と評価光バースト交換網に適したマルチキャスト設計法として、複数の共有木から所望の組合せを選択し、マルチキャスト経路を設定する方式を新たに確立した。本方式は、共有木の生成手法、共有木の選択手法、及び波長割り当て手法からなる。共有木生成手法では、重複をできる限り避けるため、縦型・横型探索をベースとする複数の共有木の設計法を提案している。共有木選択手法では、"適合率"という指標を基に共有木を選択する。波長割り当て手法では、共有木毎に優先波長を設定し、バーストロス率の削減を図る。提案方式の有効性をバーストロス率などの面から確認した。・高信頼トラヒック収容方式のGMPLS環境への拡張およびインターネット上におけるプロトタイプシステム設計GMPLSのようなマルチレイヤ網構造に対してFixed Alternate Pathを設定し、信頼度指標に基づいてトラヒックエンジニアリングを遂行する拡張パス設定方式を提案した。また、拡張方式の有効性をシミュレーションにより実証した。さらに、計算機を相互接続した擬似ネットワーク上にMPLSシグナリング環境を構築した。その上で実際に基本パス設定のためのシグナリングの実行を確認した。
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