研究概要 |
平成15年度は主にTurbo符号の理論的性能の保証ならびに理想的な符号の構成法を明らかにした. 具体的には,S.Benedettoらにより提案されたPCBC(Parallel Concatenated Block Codes)型ブロックターボ符号を1次元の符号とみなした時の性能の解析を行い,大きな最小距離を持つインタリーバの構成法を提案した. まずインタリーバに制限を加えることにより,最小距離の下界を大きくすることが可能となることを示した.さらに,この制限により,各情報記号のHamming重みに対応する符号語のHamming重みの下界も導出した.その結果,与えられたインタリーバーに対しある範囲の低域重み分布を少ない計算量で厳密に求めることが可能となった. これは種々のインタリーバに対する平均的な重み分布を求めるのではなく,与えられた生成行列及びインタリーバに対し,正確な低域重み分布を探索により求めることを意味している. また情報記号のHamming重みが1および2のときの符号語のHamming重みに対する下界を大きくするインタリーバの構成手法を示した.このようにして得られるインタリーバは,ブロックターボ符号に対するCode-Matched Interleaverに相当する. さらにブロックターボ符号の最小距離を大きくすることが可能な要素ブロック符号を探索により求めるアルゴリズムを提案した.結果的に得られる要素符号およびインターリーバを用いることにより,従来より大きな最小距離を保証するブロックターボ符号を設計することが可能となる.
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