これまで行ったカオス回路の設計方法の1つである2つの発振器をダイオードで結合した系について、これまで調査した回路に加えて、いくつかの回路が得られることが判明した。そこで、それら回路について回路実験とコンピュータシミュレーションによる検証を行った。その結果、いくつかの回路についてはカオス発生を確認できたが、一部の回路では確認できておらず、引き続き調査する必要がある。このため、16年度中の投稿を予定していたこの設計方法の投稿を延期し、現在調査中の回路も加えた状態での投稿を考えている。これらの回路の調査は現在順次行っており、17年度の成果として報告できると考えている。 一方、カオス回路の結合系についての研究も行っており、同じカオス回路を異なる2つの節点で完全結合した回路に起こる現象について、大まかな現象の説明ができた。しかしながら、それを証明する解析などが、研究課題として残っており、17年度中での解決を目指す。 16年7月International Journal of Bifurcation and Chaosに掲載されたリングオシレータを用いたカオス回路については、IC回路の試作を考えており、これまで、問題点の洗い出しなどを行った。前出の研究がまとまり次第、試作についても本格的に着手する予定である。 本年度の研究成果の一部は、電気関係学会四国支部連合大会、電気電子情報通信学会非線形問題研究会、2005 RISP International Workshop on Nonlinear Circuits and Signal Processingなどで報告を行っている。
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