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2003 年度 実績報告書

匂いプルーム追跡用飛行船ロボット

研究課題

研究課題/領域番号 15760296
研究機関東京工業大学

研究代表者

石田 寛  東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (80293041)

キーワードロボット / 飛行船 / ガスセンサ / プルーム / ガス源探知 / 乱流
研究概要

室内空間では、熱対流や空調により3次元的な気流の場が形成される。このように複雑な環境下で異臭の発生源やガス漏れ箇所を探索するシステムの開発を目指し、匂い・ガスをたどって移動する飛行船ロボットの研究を行った。本年度は、市販のラジコン飛行船をロボットのひな形とし、搭載するガスセンサの配置と信号処理アルゴリズムを検討した。飛行船は気流をあまり乱さずに飛行できる反面、大きなバルーンを必要とする。この欠点を逆に利用してガス源の方向を推定することを試み、バルーン表面に10個の半導体ガスセンサを配置した。バルーン前方に配置したセンサは、ガス雲が飛来する度に応答し、応答が大きく変動した。一方、バルーンの後方には周囲から空気を巻き込む渦が存在し、ガス雲の一部はこれにトラップされて留まる。したがって、後方のセンサからは変動の小さな応答波形が観測された。この波形の差を利用すれば、飛行船をガス源に誘導できることが分かった。
次に、飛行船を自律的に移動するロボットシステムを製作した。自律飛行するロボットの実現は浮力の制限により困難であるため、地上を走行するロボットで飛行船を牽引する方式をとった。応答波形の観測結果に基づき、応答に変化が現れたセンサの方向に移動を繰り返すアルゴリズムをロボットに実装した結果、プルームをたどり、飛行船をガス源に接近させることに成功した。次年度はバルーン形状やセンサ配置を最適化し、探知速度と精度の向上を目指す。
一方、空気より重いガスの探知のように、飛行船ロボットが適用困難な状況もある。室内空間でガス源を探知する実用システムを実現するため、超音波風速計を用いたガス源探知プローブ、視覚と嗅覚を融合したガス源探知ロボットの開発も行った。次年度は、これらのシステムを組み合わせ、地上と空中の両面から探索を行う総合システムの実現を検討する。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] H.Ishida, M.Tsuruno, K.Yoshikawa, T.Moriizumi: "Spherical gas-sensor array for three-dimensional plume tracking"Proceedings of the 11th International Conference on Advanced Robotics. 369-374 (2003)

  • [文献書誌] 田中, 谷口, 石田, 森泉: "視覚と嗅覚を融合した匂い・ガス源探知ロボットの研究"平成16年電気学会全国大会講演論文集. 3. 218-219 (2004)

  • [文献書誌] シュ, 石田, 森泉: "飛行船ロボットによる三次元ガスプルーム追跡"平成16年電気学会全国大会講演論文集. 3. 220 (2004)

  • [文献書誌] 吉川, 石田, 森泉: "超音波風速計を用いた3次元ガス源探知プローブ"電子情報通信学会総合大会講演論文集. C-6-17 (2004)

  • [文献書誌] H.Ishida, G.Nakayama, T.Nakamoto, T.Moriizumi: "Controlling a gas/odor plume-tracking robot based on transient responses of gas sensors"IEEE Sensors Journal. (発表予定).

  • [文献書誌] H.Ishida, M.Zhu, K.Johansson, T.Moriizumi: "Three-dimensional gas/odor plume tracking with blimp"Asia-Pacific Conference of Transducers and Micro-Nano Technology. (発表予定).

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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