• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2003 年度 実績報告書

受動性を保存する離散化法とそれに基づくデジタル非線形制御法の構築

研究課題

研究課題/領域番号 15760313
研究機関東京大学

研究代表者

大石 泰章  東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 講師 (80272392)

キーワード受動性 / 離散化 / 線形システム / デジタル制御 / ロバスト制御 / サンプル周期 / 零次ホールド / 理想サンプラ
研究概要

本課題に関する研究の成果として,本年度は以下の二つの結果を得た.
第一に離散化によって受動性が失われる場合を調べ,数値解析の結果との比較を行なった.具体的には,制御対象が厳密にプロパーな線形システムであるならば,もともとの制御対象が受動的であってもそれを離散化して得られるシステムは必ず受動性を持たないものになってしまうことを証明した.これは理想サンプラと零次ホールドを使った単純な離散化では,入力と出力の間に1サンプル周期の時間遅れが生じてしまい,それが障害となって受動性を失うのだと理解できる.数値解析の場合には陰的解法を使うことによって時間遅れを解消し,同種の問題を回避している.しかし制御理論の場合には実時間性が重視されるため同じ方法を使うのは難しい.
第二に,以上の知見をもとにして受動性を回復する方法を提案した.制御対象が線形システムで零次ホールドを使う場合には,与えられた入力に対して方程式を陽に解くことにより,1サンプル周期だけ未来の出力を求めることができる.これを使って仮想的な出力を定義することにより受動性を保存した離散化が可能であり,さらにそれに基づいて安定化することも可能であることを示した.しかしながらこの方法は制御対象が非線形システムである場合,一般に方程式を陽に解くことができないために拡張が難しく,さらなる研究が必要である.
これに関連してさらに,数値的手法と確率的手法とを組み合わせてロバストに受動化および安定化を行なう方法について考察した.

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Y.Oishi, H.Kimura: "Computational complexity of randomized algorithms for solving parameter-dependent linear matrix inequalities"Automatica. Vol.39, No.12. 2149-2156 (2003)

  • [文献書誌] Y.Oishi: "Probabilistic design of a robust state-feedback controller based on parameter-dependent Lyapunov functions"Proceedings of the 42nd IEEE Conference on Decision and Control. 1920-1925 (2003)

  • [文献書誌] 大石泰章: "ロバスト制御のための確率的アプローチ"第32回計測自動制御学会制御理論シンポジウム予稿集. 13-18 (2003)

  • [文献書誌] Y.Oishi: "An ellipsoid randomized algorithm for the use of non-common Lyapunov functions"第3回計測自動制御学会制御部門大会予稿集. 473-476 (2003)

URL: 

公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi