研究概要 |
本年度の研究では円錐切替え法を三次元線形時不変切替えシステムへ拡張し,円錐切替え法の幾何的性質を解明することを重点において進められてきた。 三次元線形時不変システムへの拡張についてはシステムのクラスを限定して結果を出している。具体的に,対称システムや拡張型対称システムについて三次元を含めて任意の切替え法のもとでの安定性について議論し,外乱抑制性能の達成へ議論を拡張している。その結果を学会論文と学術誌へ投稿している。これらの結果が十分性に関するものであるため,来年度は必要十分条件あるいはそれに近い条件を考察していく予定である。 円錐切替え法の幾何的性質については(区間的)リヤプノフ関数の存在条件と同時に考察してきた。その結果も学会論文へ投稿している。目標としているシステム行列による判定条件(安定性と切替え法)まではできていないが,良い見通しができている。 以上の結果は切替え制御へ拡張されている。すなわち,一つのコントローラで望ましい制御性能を達成できない線形や双線形な時不変システムに対して複数のコントローラを必要に応じて設計し,それらのコントローラを切替えていく制御方法を考察している。三次元に限定した議論ではないが,今後は限定した場合のメリットや条件の緩和について考察していく。
|