遅延結合された自励振動子に発生する振動停止現象は振動子が2次元の場合に限って数値的に導かれているに過ぎず、理論的な結果は殆ど得られていない。また、次元の一般化もされておらず、この研究はまだ初期段階にあると言える。 本研究の実績を以下にまとめる。 1)遅延時間結合に伴う振動停止現象を一般化し、この現象が生じない十分条件を理論的に導出した。この成果は国内学会(日本物理学会)ならびに国際会議(NDES2003)で発表した。また、この結果を大域的結合ネットワークに拡張し、論文を執筆・投稿した。 2)ダイナミクスを有する拡散的結合を施すことでも振動停止現象が生じることを明らかにした。この成果は米国物理学会論文誌(Physical Review E)に掲載された。さらに、この現象を回路実験で検証した結果は国際会議(ISCAS2004)に採択された。
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