| 研究概要 |
車両のパラメータ(車軸数,走行速度,走行車線,車両総重量,卓越振動数等)が,橋梁-橋脚-地盤という伝播経路や受振側の家屋に与える影響が大きいため,橋梁振動の問題は複雑化している.この数多くある車両パラメータの中で最も大きな影響を与えている要因が,車両総重量と卓越振動数といえる.本研究で得られたデータから,重量が軽い車両にもかかわらず,大きな振動を記録したものがあった.これは,車両の卓越振動数と橋梁および家屋の共振による影響と考えられる.
そのため,本研究では,これらの車両のパラメータを推定するシステムを構築し,振動苦情が生じている場所において,車両パラメータと橋梁,伝播経路および家屋を長期にわたりモニタリングし,その計測結果に対して相関をとること主目的として,環境振動モニタリングシステムを開発している.
2年目となる本年は,実際に振動苦情を生じていた箇所での実測データを用いて,通過車両の振動特性と家屋の振動特性との相関についてMATLAB言語を用いたプログラムを作成中である.
同時に,本研究で以前に開発した車両走行動的解析プログラムを用いて,立体橋梁モデル上を車両モデルが走行した場合の橋梁側の振動応答から,車両の振動特性(卓越振動数)を推定できるプログラムを作成中である.
実測データから推定する場合においては,ノイズを如何に除去できるかという点で苦労している.さらに,実測データを蓄積中してデータのサンプル数を増やしている.
|
