研究概要 |
(1)固液混相乱流の乱れ及び気固相密度相関取得のための実験的研究 可視化用室内波動水槽底部に設けられた固相ポッド内に球形底質モデルであるガラスビーズを敷設し,ビーチに来襲する砕波混相乱流を再現し現有の高解像デジタルビデオカメラシステムにより砕波によって浮遊したガラスビーズの三次元軌道を撮影した。購入したレーザー電源ユニット及びシステム制御用パソコンの導入により効率よく砕波により浮遊したガラスビーズ及び混入した中立粒子からの反射光を本研究代表者が既に開発している三次元SPTV法により撮影,計測,解析を行うことが可能となった.しかしながら,大量のガラスビーズ及び中立粒子の流体による輸送を評価するためには現状のSPTV法では負荷が大きすぎる問題が判明したため,現状のSPTV法を相関法を用いたsuper-resolution SPTVに拡張し粒子速度解析を高速化する手法を開発した. (2)砕波下の気液混相乱流の統計評価 砕波によって混入した気泡と中立粒子とを光学フィルターにより分離し,砕波下の気泡流と水流の速度分布を新たに開発したParticle Image Veocimetry (PIV)により解析し,気泡-流体の相互作用を含むレイノルズストレス及び乱れエネルギーの統計量の時間変化を調べた.気泡混入が砕波下の乱れを促進し,乱流構造の遷移に大きな影響を与えていることが明らかになった.気泡-流体の相互乱れ相関は極めて複雑な時空間変化を示すため,この相互作用のモデル化を行うために詳細な検討が必要である.
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