研究概要 |
高分解能衛星画像を用いた数値屋根モデルDRMの適用性拡張と高精度化について、昨年度に引き続き検討を行った。また、これまでに得られたDRMを利用しGIS(地理情報システム)によるデータ管理と表示方法について検討を加えた。加えて、樹高をより高精度に抽出するための初期検討として、2次元での都市域植生分布の抽出特性について異なる性能を有する高分解能衛星での種々の比較検討を主に行った。以下に示される今年度の具体的な中間的結果が得られている。 ※複数の異なる高分解能衛星画像データによる樹木冠部分の判読・抽出特性の明確化 地上分解能が異なるIKONOS衛星とQuickbird衛星の2つの高分解能衛星によって観測された画像にそれぞれエッジを強調するフィルタリング処理を行い,樹冠の輪郭についてわずかな分解能の違いが密集した樹木の一本一本の分離性にどのように影響するか比較検討を行った.この検討を踏まえて、マルチスペクトル画像で得られている樹林の色彩情報と画像強調効果画像か得られる樹冠の形状情報の重ね合わせを行い、両衛星について比較検討を行った。この結果から、Quickbird衛星の場合、樹冠の分布状況をより詳細に反映させた分布図がカラー合成画像と輪郭強調画像から作成できる可能性があり、分解能の微妙な違いを有効に利用することにより、樹高の3次元情報取得と2次元樹冠分布抽出に対する高精度化を進めることができる可能性を検証することができた。 次年度はこれまでの検討で明らかになった種々の高分解能衛星画像の諸特性を活かした、樹木と構造物の3次元情報の抽出を進め、さらに今年度から検討を進めている山地域での検討をより進めることで、より広範囲で高精度な結果の取得を試みる。また今年度の検討で得られた、GISを利用したデータ表示方法を最終的な結果表示に活用する予定である。
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