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2005 年度 実績報告書

焼酎蒸留粕で作製した高付加価値エコポットの土壌中における窒素の動態解析と分解特性

研究課題

研究課題/領域番号 15760412
研究機関鹿児島工業高等専門学校

研究代表者

山内 正仁  鹿児島工業高等専門学校, 土木工学科, 助教授 (40239843)

キーワード焼酎蒸留粕 / エコポット / 古紙 / 植物生育試験 / リサイクル / 土壌分解
研究概要

九州地区で発生する焼酎粕量の約半分量の33万4千tonを占める鹿児島県では、10万8千tonの焼酎粕が海洋投棄処分されているが、2004年4月に「海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律(海防法)」が一部改正され、2007年までに施行されることになった。このため、焼酎粕の海洋投棄は今後全面禁止の方向に進むと考えられ、焼酎メーカーにとってはひっ迫した課題となっている。筆者等は焼酎粕を植物由来の有効な資源としてとらえ、焼酎粕から紙(エコ紙)を作製する技術を確立し、その技術を利用して土木・農業用資材の開発を検討している。本年度は、昨年度の結果を受けて、エコポットを用いた果菜類の栽培を行い、ポットの諸特性を明らかにした。また、エコポット側面から切出した試験片を圃場に埋設し、定期的にポットの成分分析、物性試験及び形状調査を行い、土壌におけるエコポットの分解特性を明らかにした。
1)エコポットを用いたミニトマトの生育試験
果菜類の中で生育管理がし易いミニトマトを供試作物に用いて、エコポット、古紙ポット、及びポリポットで栽培試験を実施し、従来の古紙ポット、ポリポットと資材特性を比較することで、エコポットの有効性と栽培期間の長い作物に対する肥料効果を確認した。
2)エコポットの土壌分解試験
エコポットを埋設した場合、埋設後150日程度で崩壊しやすい状態となった。また、エコポットの面積消失は埋設360日目頃から始まり、その後指数的変化を示し、埋設670日目には完全に消失(100%)した。このことから、エコ紙が完全に土壌還元されるためには約2年を要することがわかった。
以上の結果から、エコポットはポリポット、古紙ポットに比べ、直接土壌に定植できる点、苗を植えかえる手間が省ける点、廃棄物(ゴミ)を発生させない点等で優位性が高いと考えられた。さらに、エコポットは肥料効果があり、その効果は長期にわたって持続することがわかった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Recycled pots using sweet potato distillation lees2006

    • 著者名/発表者名
      Masahito YAMAUCHI, Sumio MASUDA, Masato KIHARA
    • 雑誌名

      Resource Conservation and Recycling In press

  • [雑誌論文] 焼酎蒸留粕を用いたエコポット量産化装置の開発とそのポットの特性に関する研究2005

    • 著者名/発表者名
      山内正仁, 増田純雄, 木原正人, 山田真義, 米山兼二郎, 原田秀樹
    • 雑誌名

      土木学会論文集 No.804VII-37

      ページ: 83-92

  • [雑誌論文] Analysis of nitrogen in ‘eco pots' made from shochu distillation lees2005

    • 著者名/発表者名
      M.Yamauchi, S.Masuda, M.Kihara, N.Chisyaki, S.Inanaga
    • 雑誌名

      Plant nutrition for food security, human health and environmental protection

      ページ: 918-920

URL: 

公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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