研究概要 |
現在、家庭用コージェネレーションシステム(家庭用CGS)の開発が本格化しているが、この分野における学術研究の成果の現状は、フィールドテストの結果や機器特性の把握、コンポーネント開発、機器設計・制御の適正化が図られない状態での導入効果の推定等に留まっており、実運用段階を想定した適正な設計・制御手法に関しては、検討が成されていない状況にある。 本研究では、このような課題に対する知見を得ることを目的に、主にシミュレーションを用いて、家庭用CGSの設計・制御手法の確立に関する検討を行うものであり、平成15年度は以下の成果を挙げた。 1.家庭用CGSの具体システムを定め、システム構成要素の容量設計と時々刻々のシステム挙動および年間エネルギー消費量解析のためのシステムシミュレーションプログラムを作成した。システムシミュレーションプログラムは、(1)発電機(ガスエンジン,燃料電池(PEFC)、(2)運転方法(定格運転,電力負荷追従運転など)、(3)余剰電力処理方法(逆潮流,電熱コイルによる熱変換)、(4)排熱利用先(給湯,床暖房)等、様々なオプションを選択できるよう整備した。 2.家庭用CGS機器を販売する企業より詳細な実験データを入手し、開発したシミュレーションプログラムの妥当性を確認した。 3.妥当性を確認したシミュレーションプログラムを用いて、GE,やPEFCを用いた家庭用CGSに対して、どのようなエネルギーバランス(発電効率と廃熱回収効率,総合効率)の発電装置であれば、最も効率が高くなるかという検討を行い、その定性的な特性を確認した。
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