インターネット上に公開された地図の任意の地点に、不特定多数のユーザが、任意の情報を入力することができ、これらの情報を自由に検索・閲覧できる、双方向・開放型のinternet Mapped Information Board system : iMIBsを用い、以下に示す運用実験を行った。 1)ワークショップ(WS)支援システムとしての活用 まち歩きをして地区の資源・課題を発見・整理することを目的とするWSの支援システムとしてiMIBsを活用した。多摩センター地区では2時間程度のまち歩きの直後に集まった情報を整理するWSを行った。本実験では、本研究で開発したiMIBs(名称は「カキコまっぷ」)を情報蓄積・整理・提供ツールとして用いた他、中西泰人らが開発した「時空間パーサー」をGPS・カメラ付き携帯電話からの投稿ツールとして用いている。 WSで、地図上に投稿された情報を整理する場合、情報が持つ位置関係と意味関係の両方を整理する必要がある。カキコまっぷでは、特定の情報に対してコメントを追記することで意味関係を付加していくことは可能であったが、複数の情報の「意味」が相互に関係している様子を図化して整理する際には、従来のように模造紙上でのKJ法を用いた。 2)多様な手法・主体により集められた情報のデータベース(DB)としての活用 岐阜県山県市では、市民参加型WSや市全域を巡回して情報収集するキャラバン隊などの方法で「まちの資源・課題」を収集した。複数の手法で集めた情報はカキコまっぷで一元的に蓄積・公開した。 また、世田谷区の市民団体「ママパパぶりっじ」では、カキコまっぷを用いて区内の子育てに関する情報をDB化した。子育て団体に限らない他分野の主体との協働が課題として明らかになった。
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