インターネット上に公開された地図の任意の地点に、不特定多数のユーザが、任意の情報を入力することができ、これらの情報を自由に検索・閲覧できる、双方向・開放型のinternet Mapped Information Board system : iMIBs(通称:カキコまっぷ)を機能拡張し、新しいタイプの運用実験をおこなった。 【拡張したiMIBsの機能】 ・複数の利用主体がそれぞれのレイヤーを所有し、それらのレイヤーを1つの地図として重ね合わせてインターネット上で提供できる機能。 ・利用主体それぞれの目的・利用者層にあったユーザエンド・インターフェイスを作るためのカスタマイズ機能。 【運用実験の概要と成果】 1)多主体の情報を1つの地図に整理した地域防犯マップの作成 板橋区志村第一小学校区を対象として、児童(4年生)による校区内の危険個所などの調査(まちあるき)、PTAによる校区内の危険個所の調査(防犯教室と自主的な現地調査)、および1〜6年生の児童と保護者へのアンケート調査(記入用地図付き)を実施し、それぞれの調査結果をiMIBs上に記入、地図上に重ね合わせた。また、このiMIBsをインターネットを通じて保護者などに公開し、インターネット上での情報交換もおこなった。その結果、異なる視点を有する複数の主体による情報を、相互に確認し合い、地域としての防犯意識向上に寄与した。 2)行政によるひったくり情報の提供 iMIBsの新しい機能である、ユーザエンド・インターフェイスのカスタマイズ機能を用い、行政担当者のみが記入できる「ひったくりマップ」の公開を板橋区でおこなった。行政からの情報提供型WebGISには先行事例もあるが、本研究では、行政担当者との調整を密に実施し、簡単な操作で情報の追加・更新ができるよう配慮したユーザインタフェイスを採用したことで、週に1度の迅速な情報公開を実現することが出来た。
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