1.調査対象地区における新築住宅(1092棟)の、立地条件、平面、断面、計画的特徴をフィジカルなデータに基づいてデータベース化し、研究目的に見合う新しい住宅(114棟)を抽出した。 114棟中61棟について、現地ヒアリング調査により、現在の「家族形態」とそれに至る経緯を把握した。 その結果、調査対象とする住宅の大半は多世帯同居の形態をとっており、親世帯と直系子世帯の二世帯三世代同居という形態が半数を占めること、その六割は親世帯と娘世帯の同居であること、一方で兄弟同居、三世帯同居、非血縁同居という事例も存在することがわかり、一般に想定しうる、相続を前提とした親世帯と直系長男世帯との同居の形態の割合は低く、多様な「家族形態」が存在することがわかった。震災前の同居事例、同居意向を持っていた事例は少なく、近居事例、近居意向を持っていた事例が多いこともわかった。 次年度はこのような多様な「家族形態」の類型整理とそれぞれの居住形態の特徴について分析を進める。 2.調査対象地区を一般市街地の住宅更新過程のモデルとして扱う妥当性を検証した。 主に以下の2つの方向から検討を行った。 (1)災害被害からの復興過程にある他の市街地の観察調査結果との比較 (2)主に阪神間の非被災住宅地における新しい「家族形態」と居住形態の実態調査とそこに顕在化している住要求との比較
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