研究概要 |
本研究は,申請者が検討してきた部材の寸法・形状の復原研究に基づき,従来,その利用法が確立していなかったコンピューターを用いての古写真分析と三次元復原グラフィック(CG)の作成を通して,復原案の妥当性を検証しようというものである。 4月から7月にかけては勤政殿の上部架構復原に関連して、類似宮殿遺構の架構としての性格についての基礎的研究を行った。 8月から9月にかけては,前年度と同様に、大学の休業期間を利用して,ヴィエトナム・フエに出張し,比較検討が可能な宮殿建築の実測調査をおこなった。合わせて、古写真などの関連資料収集を行った。 9月中旬には札幌にて開催された日本建築学会大会にて研究の途中成果を発表した。 10月から12月にかけては、勤政殿を写したいくっかの写真資料を用いて寸法抽出する作業とその方法論の検討を行った。また抽出された寸法を元に各部材(主として柱,大梁,貫,ケオなどの主要構造部材)を造形する作業に着手し、造型ソフトFormZの購入を行った。 1月から3月にかけても引き続き分析・造型作業を継続するとともに,デジタル・アーカイブとしての保存方法に関しても検討を行った。 3月には日本建築学会関東支部にて写真からの寸法抽出方法についての発表を行った。また現地に出張し、勤政殿基壇の詳細な実測調査を行う予定である
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