• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2003 年度 実績報告書

多重散乱光の干渉を利用した新規な高密度光記録用媒体の開発

研究課題

研究課題/領域番号 15760501
研究機関京都大学

研究代表者

藤田 晃司  京都大学, 工学研究科, 助手 (50314240)

キーワードランダムフォトニック構造 / 光多重散乱 / 光反応 / 光局在化 / 高密度光記録効果
研究概要

20世紀の社会を支えた基盤技術は半導体エレクトロニクスであり、レーザーの発明から始まったオプトエレクトロニクスと併せて極めて有効な技術として発展してきた。エレクトロニクスがシリコン等の半導体中の電子の振る舞いを制御することによって成り立っているのに対し、オプトエレクトロニクスでは光を利用しているが、現在のところ半導体中の電子のように、光を自由自在に制御する技術は十分確立されていない。このため、誘電率が光の波長程度の空間スケールで変化した微視的構造体を用いて、光の導波性や自然放出寿命などを制御する技術が待望されている。
平成15年度は、光の波長程度の空間スケールで誘電率が不規則に変化した微視的構造体と光反応性のイオンを組み合わせた光記録効果の基礎特性を評価した。具体的には、Sm^<2+>を添加した微粒子複合体において光記録特性を検討し、光の波長と入射角度だけでなく偏光が記録されるホログラフィーに類似の高密度光記録効果が現れることを見出した。さらに、その記録特性が、媒体の散乱強度と吸収量によって制御できることも明らかになった。これらの実験結果を踏まえて、高密度光記録用媒体として無機ゾルーゲル系において酸化物多孔質材料の作製を試みた。スピノーダル分解とゾルーゲル転移を並行して誘起させることにより、従来のシリカ系に加えて、チタニア系においても、マクロ孔の形成が可能となった。また、散乱特性はマクロ孔の細孔径と気孔率、骨格とマクロ孔(空気)の屈折率差によって制御できることが明らかになり、多孔質材料が新規な高密度光記録用媒体としての有用であることを示した。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] K.Fujita, Y.Ohashi, K.Hirao: "Room-Temperature Grating-Based Morphological Hole Burning in Sm^<2+>-Doped Glass Powders"Optics Letters. 28・7. 567-569 (2003)

  • [文献書誌] 藤田晃司, 平尾一之: "光を散乱する媒質からの光機能発現"化学(化学同人出版). 59・1. 72-73 (2004)

  • [文献書誌] J, Konishi, K.Fujita, K.Nakanishi, K.Hirao: "Macroporous Morphology Induced by Phase Separation in Sol-Gel Systems Derived from Titania Colloid"Materials Research Society Symposium Proceedings. 788. L8.14.1-L8.14.6 (2004)

  • [文献書誌] K.Fujita, Y.Ohashi, K.Hirao: "Spatial Manipulation of Valence States of Samarium Ions in Strongly Scattering Media"Journal of Non-Crystalline Solids. (印刷中). (2004)

  • [文献書誌] K.Fujita, Y.Ohashi, K.Hirao: "Spatial Manipulation of Valence States of Samarium ions by the Interference of Multiply Scattering Light in Random Media"Transactions of the Materials Research Society of Japan. (印刷中). (2004)

  • [文献書誌] S.Murai, K.Fujita, K.Nakanishi, K.Hirao: "Fabrication of Monolithic Macroporous SiO_2 for The Host of Random Laser"Journal of Non-Crystalline Solids. (印刷中). (2004)

URL: 

公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi