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2003 年度 実績報告書

ミリングによるNiTi基合金のナノ結晶化・非晶質化とガラス遷移域での固化成形性

研究課題

研究課題/領域番号 15760511
研究機関北見工業大学

研究代表者

石川 和宏  北見工業大学, 工学部, 助手 (10312448)

キーワードアモルファス / ナノ結晶 / メカニカルグラインディング / 透過型電子顕微鏡 / NiTi合金 / マルテンサイト
研究概要

Ni-Ti-Zr系合金の粗粉砕および引き続いてのメカニカルグラインデイング(MG)による構造変化をX線回折法、透過型電子顕微鏡を用いて調べた。X線回折の結果、溶製したままの合金には明瞭なブラッグピークが観察されたが、5分程度の粗粉砕によって♯150以下に粉砕すると、ブラッグピーク強度が弱くなるとともにブロードになった。粗粉砕後の粉末試料を透過型電子顕微鏡で観察すると、アモルファス相と10nm程度のナノ結晶相との混相であることが分かった。したがって、Ni-Ti-Zr合金は、ごく短時間の粉砕、つまり少量の機械的ひずみを導入することでアモルファス化が起こると言える。この粉末に1時間のMGを施すと、X線回折図形および電子顕微鏡観察より、ナノ結晶相が消失しアモルファス単相へと変化することが分かった。MGにより生成したアモルファス相の結晶化温度は約450℃であり、液体急冷法により作製したアモルファス相のそれとほぼ一致した。Ni-Ti-V合金でも同様の実験を行い、粗粉砕によりアモルファス化およびナノ結晶化が起こり、その後のMGによりアモルファス化が進行することが分かった。粗粉砕によるアモルファス化はNi-Ti二元系合金でも観察されるので、この現象が添加元素によらないNiTi合金本来の特性であることが示唆される。Ni-Ti-Zr系およびNi-Ti-V系合金の溶製後におけるNiTi相の構造はそれぞれマルテンサイト(monoclinic)、B2であり、ナノ結晶化およびアモルファス化が粉砕前の構造に依存しないことが分かった。

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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