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2004 年度 実績報告書

新高温構造材料としてのNi基化合物複相材の開発、力学特性の改善

研究課題

研究課題/領域番号 15760524
研究機関大阪大学

研究代表者

萩原 幸司  大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (10346182)

キーワード破壊靱性 / 破壊挙動 / 複相合金 / 塑性変形 / 転位 / 結晶構造 / 双晶 / 強靭化機構
研究概要

昨年度明らかにした、Ni_3X型各化合物[X=Al, V, Nb, Ti, Sn etc.]の持つ優れた特長を活かし、かつ問題点を相互補完するという観点から、本年度はこれら化合物を適切に組み合わせた複相結晶を作製し、その力学特性、特に降伏応力の温度依存性ならびに、破壊挙動の温度、方位依存性について評価した。得られた結果について以下に列記する。
・ブリッジマン法による組織制御を行うことにより、Ni_3Al(L1_2)/Ni_3Nb(D0_a)、Ni_3Si(L1_2)/Ni_3Ti(D0_<24>)、Ni_3Al(L1_2)/Ni_3Nb(D0_a)の三種の方向制御材の作製に成功した。これらはそれぞれ、微細なラメラー(約5μm)、粗大なラメラー(約70μm)、ロッド状析出物より構成される特有の組織を示した。
・各合金の降伏応力の温度依存性はいずれも同様の傾向を示し、室温〜700℃の温度域においては、数%の圧縮延性を有しつつ、800〜1000MPa程度の高強度を示した。但し700℃以上においては、温度の上昇に伴い応力は急激に低下し、1000℃においては500MPa程度の値を示した。
・三点曲げ試験により評価した各結晶の破壊靭性値には顕著な方位依存性が認められ、荷重負荷方向が熱流方向垂直において、破壊靭性値は、いずれも約20MPam^<1/2>程度の高い値を示すのに対し、一方、熱流水平方向においては、導入されたクラックは、異相界面に沿って容易に伝播するため、破壊靭性値は合金系によらず約6MPam^<1/2>程度の極めて低い値を示すことが確認された。
・化合物複相材の破壊挙動、特に靭性値の温度依存性は、化合物の凝固組織形態、相の組合せによって、大きく異なることが明らかとなり、300℃においては、微細なラメラー組織を有するNi_3Al(L1_2)/Ni_3Nb(D0_a)が最も優れた破壊靭性値を示すことが明らかとなった。このことは、破壊機構に与える塑性変形の寄与が各合金によって大きく異なることと、強く関連することが示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Influence of Y-addition on the oxidation behavior of Al-rich γ-TiAl alloys2004

    • 著者名/発表者名
      Y.Wu, K.Hagihara et al.
    • 雑誌名

      Intermetallics 12

      ページ: 519-532

  • [雑誌論文] Indentation fracture behavior of (Mo_<0.85>Nb_<0.15>)Si_2 crystals with C40 single-phase and MoSi_2(C11_b)/NbSi_2(C40) duplex-phase with oriented lamellae2004

    • 著者名/発表者名
      K.Hagihara et al.
    • 雑誌名

      Scinece and Technology of Advanced Materials 5

      ページ: 11-17

URL: 

公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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