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2003 年度 実績報告書

シリコンの陽極酸化時における多孔質構造のナノからマクロへの自発的変化

研究課題

研究課題/領域番号 15760539
研究機関京都大学

研究代表者

HAMM Didier  京都大学, エネルギー理工学研究所, 助手 (50324702)

キーワード多孔質シリコン / ナノ構造 / マクロ構造 / 陽極酸化 / 自発的構造形成
研究概要

シリコンウエハの陽極酸化により生成する多孔質シリコン層の構造に対するウエハの抵抗および電解電流密度の効果を調べた。作成条件により2種類の多孔質構造が現れた。ひとつは均一なナノ多孔質構造であり、他はナノ多孔質体がシリコン壁により仕切られたマクロ構造である。後者においては多孔質層形成過程においても構造が変化し、均一なナノ多孔質相生成からマクロ孔にナノ多孔質相が充填された構造の生成へと変化する。本研究では、この変化が起こる条件を明確にした。多孔質層の形態は実験条件の微妙な変化に大きく影響される。電流密度が低い場合とウエハの抵抗が高い場合、マクロ孔生成へと変化しやすい。ただし、この変化によって溶解の価数も多孔度も影響されない。
ナノ多孔質相が充填されたマクロ孔構造の成因について考察し、シリコン表面から垂直方向への多孔質層成長速度と横方向への成長速度が異なり、後者においては隣り合う成長サイトの存在によって空間的に制限を受けるために充填マクロ構造が現れるというモデルを提案した。これまでに報告されているシリコンマクロ孔では、多孔質相の充填が見られない構造が多い。陽極酸化時にフッ酸溶液が用いられるが、フッ酸濃度が低い時にはナノ多孔質シリコンが溶解することを見出した。また、DMSOなどの有機溶媒中でも同様な溶解が起こることが知られている。これまでに種々のマクロ孔生成モデルが提案されているが、われわれは本研究の結果から、マクロ孔生成について、ナノ多孔質相充填マクロ構造が形成され、その充填体が化学溶解することにより、シリコン中にマクロ孔構造が現れるという新しい考えを提案した。このような形態の変化を利用すると、多様な表面構造の基板を作成することができる。これらの構造は結晶面が現れていることとサイズ分布が小さいことが特徴となっている。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Didier Hamm: "Etching of porous silicon in basic solution"Phys.Stat.Sol.(a). 197(1). 175-179 (2003)

  • [文献書誌] Didier Hamm: "Transition during Growth of Nanoporous Columns in p-type Silicon : The Origin of Macropores"Electrochemistry. 71(10). 853-859 (2003)

  • [文献書誌] Didier Hamm: "Porous Formation under Constant Anodisation Conditions : Homogeneous Regime or Transition?"J.Electrochem.Soc.. 151(2). C32 (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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