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2004 年度 実績報告書

ヘリコンスパッタによる超低摩擦SiC薄膜の作製及び摩擦係数・はく離強度評価

研究課題

研究課題/領域番号 15760542
研究機関広島大学

研究代表者

加藤 昌彦  広島大学, 大学院・工学研究科, 助手 (70274115)

キーワードSiC / ヘリコンスパッタ / 超低摩擦係数 / アモルファス / 摩擦・摩耗試験
研究概要

コンピュータ用記憶装置であるハードディスクでは,ダイヤモンドライクカーボン(DLC)コーティングが広く行なわれているが,近年の記録密度の高密度化に伴い,DLC薄膜のごく微細なはく離が問題になっている.炭化ケイ素(SiC)は,DLCに匹敵する耐摩耗性を有しているが,摩擦係数が0.5以上とDLCの0.1に比べて高いので,耐摩擦コーティング材料として注目されることはなかった.これまでの研究で,ヘリコンスパッタ装置を使用してSiCと金属を同時スパッタすれば,表面が極めて平滑で,摩擦係数が0.1以下であるとともに,TiNスパッタ薄膜よりも高いはく離強度が得られることを確認している.本研究では,超摩擦係数・高はく離強度を有するSiC薄膜の作製を目指し,SiCとTiまたはAlをターゲットとして,幅広い条件でヘリコンスパッタコーティングを行い,ピン・オン・ディスク方式摩耗試験を行なった.その結果,Tiを2.6%の比率で含有したSiC薄膜で,摩擦係数が0.04にまで低下した.また,この低摩擦係数は,相手材料によらず安定していた.一方,Alを含有したSiC薄膜では,摩擦係数の低減は認められなかったが,はく離寿命が改善されることが明らかとなった.SiC-Ti薄膜での低摩擦係数発現のメカニズムを明らかにするため,各種実験を行なった結果,摩擦係数の低減は,摩耗試験中に発生する微小な摩耗紛がボールベアリング効果を発揮するためであることがわかった.また,X線回折およびナノインデンテーション試験の結果,SiC-TiおよびSiC-Al薄膜はアモルファスであり,弾性係数はバルクSiCより低いことが分かった.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 高周波マグネトロン同時スパッタ法により形成したSiC-TiおよびSiC-Al薄膜の摩擦および摩耗特牲2005

    • 著者名/発表者名
      加藤昌彦, 中佐啓治郎, 鄭 錦華, 廣田悟史
    • 雑誌名

      日本機械学会論文集(A編) 71・702

      ページ: 359-366

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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