Al_2O_3-Y_2O_3系ならびに、Al_2O_3-Y_2O_3-ZrO_2系共晶組成のセラミックスに関して、組織制御、成形体の作製ならびに強度測定を行った。この系のセラミックスは投入エネルギーによって形成相を選択できることが明らかとなった。さらに、準安定共晶相であるAl_2O_3-YAP相を選択した場合、これに再度エネルギーを加えると、準安定系の共晶温度以上で溶解するが、その温度は平衡系の共晶温度以下であることがわかった。すなわち、平衡系に対しては過冷却状態の融体が作成可能であり、この状態から凝固(焼結)することで、バルクの全領域に対して均質な微細組織を有する成形体の作成が可能であった。作製した成形体の強度を測定するため、3点曲げ試験に供した。強度試験に供する試料は通電焼結装置において、50MPa、1963K(Al_2O_3-Y_2O_3系)および1913K(Al_2O_3-Y_2O_3-ZrO_2系)の条件下で成形し、長さ12mm(支点間10mm)幅2mm、厚さ1mmに切り出して作製した。JIS規格にある3点曲げ試験サイズは、幅4mm、厚さ3mm、長さ36〜40mmであるため、本実験用に微小3点曲げ試験機を試作した。試験機の精度は、微小サイズとJIS規格サイズに切り出した純Al_2O_3の焼結体の強度を、標準試験機ならびに試作した微小試験機で測定することで比較評価した。得られた強度は、Al_2O_3-Y_2O_3系で約160MPa、Al_2O_3-Y_2O_3-ZrO_2系で約200MPaであった。Al_2O_3の焼結体の測定値が約360MPaであることを考えると、得られた焼結体の強度は低い。この原因については焼結時に焼結体内に発生する微小クラックが一因であると考えられる。焼結体に比べてダイやパンチの線膨張係数が小さく、焼結時(冷却時)に試料内部に引っ張り応力が発生しているものと思われる。今後、さらなる組織の制御により引っ張り応力に耐えうる試料にするとともに、ダイ、パンチの材質を再検討し、可能な限り試料の線膨張係数に近い材質を使用し、欠陥の低減と強度向上を目指す。
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