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2004 年度 実績報告書

機能性磁性微粒子を用いたOrgan Engineeringの開発

研究課題

研究課題/領域番号 15760587
研究機関名古屋大学

研究代表者

井藤 彰  名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助手 (60345915)

キーワードティッシュエンジニアリング / 再生医工学 / 三次元生体組織 / マグネタイト / ナノテクノロジー / リポソーム / ドラッグデリバリーシステム / 管構造
研究概要

現在、腎臓や肝臓のように複雑な構造と機能を持つ器官構造を再構築するために、Organ Engineeringという次世代型Tissue Engineeringの概念が提唱されている。本研究では、磁性微粒子で細胞を標識し、磁力で引きつけることによって細胞を配置・接着させて三次元組織を構築する。このことで、心筋や皮膚のような、単一細胞を重層化させることで機能がはるかに促進される器官や、あるいは肝臓や腎臓など、複数の種類の細胞が綿密に相互作用することによって機能が発揮される器官が、重層組織として構築できる。このように、磁力によって細胞を配置・配列できる新しい技術を確立し、複雑な構造と機能をもつ器官構造を再構築するOrgan Engineeringの中核技術とすることを目的とする。
本年度は研究計画にしたがって以下の項目について研究を行った。
1.三次元管状構造の構築
磁石を芯にし、機能性磁性微粒子で標識したそれぞれの細胞を棒磁石の磁石芯に内側から順番に配置・接着させた。
(1)血管組織の構築
正電荷をもつリポソームに包埋したマグネタイト(Magnetite Cationic Liposome, MCL)を用いてヒト大動脈血管内皮細胞、ヒト平滑筋細胞、およびマウス線維芽細胞を磁気ラベルして、磁石芯に順番に配置させることで、3つの層からなる血管様組織の構築に成功した。
(2)尿管組織の構築
イヌの移行上皮細胞を初代培養して、それにMCLを取り込ませて、磁石芯に吸着させることで、尿管様組織の構築に成功した。
2.磁力による網膜色素上皮組織の運搬・輸送
ヒト網膜色素上皮細胞にMCLを取り込ませて、磁石を用いて三次元組織を構築した後、その組織を磁石によって運搬・輸送することに成功した。本手法を用いることで、磁力によって生体組織を移植するといった新しい技術を提供することができることを示した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Construction and delivery of tissue-engineering human retinal pigment epithelial cell sheets using magnetite nanoparticles and manetic force2005

    • 著者名/発表者名
      Ito A, Hibino E, Kobayashi C, Terasaki H, Kagami H, Ueda M, Kobayashi T, Honda H
    • 雑誌名

      Tissue Engineering in press

  • [雑誌論文] Magnetic force-based mesenchymal stem cell expansion using antibody-conjugated magnetoliposomes2005

    • 著者名/発表者名
      Ito A, Hibino E, Shimizu K, Kobayashi T, Yamada Y, Hibi H, Ueda M, Honda H
    • 雑誌名

      Journal of Biomedical Materials Research in press

  • [雑誌論文] 磁性微粒子を用いたTissue Engineeringの開発2004

    • 著者名/発表者名
      井藤 彰, 本多裕之
    • 雑誌名

      ケミカルエンジニアリング 49・6

      ページ: 6-12

URL: 

公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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