研究概要 |
特異性の異なる2種類のCry毒素(双翅目昆虫特異的殺虫活性を示すCry4A,鱗翅目昆虫特異的殺虫活性を示すCry1Aaを用いて,BIACOREを用い,表面プラズモン共鳴を利用した.アカイエカ幼虫及びカイコより調整した中腸刷子緑膜小胞(BBMV)に対する結合実験を行った.その結果,両者は殺虫活性の有無に関係なく,カイコBBMVに結合しうることが,明らかになり,殺虫活性の決定は膜への結合の有無ではなく,膜への結合様式で決定されることが示唆された。 また,ヒト培養細胞特異的細胞損傷活性を示すCytoxについて,ヒト白血病ガン細胞Jurkatにおいて,MTTアッセイを行った結果,強い細胞損傷活性がみとめられ,さらに,抗カスパーゼ抗体,抗PARP抗体によるウエスタン解析により,CytoxがJurkatのアポトーシスを誘導することが示唆された。さらにDNA断片化も観察された。 さらに,プロテオミクスの手法を用いて,Cry4Aの標的昆虫であるアカイエカ幼虫よりBBMVを調整して,二次元電気泳動を行い,Cry4A陽性のスポットをゲルより切り出して,MS解析を行い,受容体候補タンパク質を探索した結果,シントロフィンαが第1候補タンパク質として示唆される結果を得ることができた。
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