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2003 年度 実績報告書

電気化学処理法によるバラスト水処理に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 15760604
研究機関広島大学

研究代表者

新宅 英司  広島大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (50263728)

キーワード電気分解 / 金属電極 / 細菌 / 凝集効果 / 濁度 / COD / 植物プランクトン
研究概要

本研究は,船舶のバラスト水を効果的に処理する電気化学処理用の電源装置,および,その処理システムを開発することを目的としており,初年度の平成15年度は,プランクトンを効果的に処理するための交流電源条件の実験的に検討し,電流・電圧・周波数等の電源条件,電極材料,電極の配置等と水質変化,プランクトンの除去効果の関係等を明らかにすることを予定していた.
本年度は,金属電極を用いた電気分解によって,細菌等によって汚濁した海水を,細菌類を含めて海水から分離除去することを研究目的とし,電気化学処理による水質変化について実験を主体として検討した.電極材料としては,鉄,アルミニウム,ステンレス鋼,チタン合金等の主種の材質を用い,定電流電源によって海水あるいは人工海水の電気分解を行った.なお,本年度は,処理対象を微細な植物プランクトンおよび細菌類としており,これらに対する処理効果を検討するため海水を酵母菌によって汚濁させたものを用いた.
研究の結果,金属電極を用いた電気分解処理により,細菌類によって白濁した海水の濁度を減少させて透明にし,リン酸を減少させることが可能であることを示した.以下に詳細を示す.
・金属電極を用いて海水を電気分解することにより,金属電極から金属が溶出して水酸化物が形成され,これによる凝集効果で菌類や汚濁物質が吸着沈殿され,処理水の濁度を数十分の一以下に減少し,リン酸は十分の一程度に減少することを明らかにした.
・金属電極としては,アルミニウム電極あるいは鉄電極が有効である.ただし,鉄電極でアルミニウム電極と同等に濁度を減少させるためには電流値を2倍以上に上昇させるか,数倍長時間の電気分解処理を必要とする.
・電気分解の処理電流は大きいほど,濁度等の減少効果が高く,低周波0.5Hz程度の交流を用いて電気分解を行った場合,処理水のpH変化は少ない.

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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