研究概要 |
本研究では,フライアッシュの利用拡大を目指して,フライアッシュセメントの適用例や諸性質について調査し,またフライアッシュセメントが適用可能と思われる二,三の想定例を採り上げ,その適用の有用性について検討した。本年度の研究では、以下のことが明らかになった。 1.フライアッシュセメント注入時の粘性および流動特性等を明確にするために,粘性試験,強度試験および土槽を用いた注入試験を行った結果,フライアッシュセメントは,ポルトランドセメントに比して,粘性,ブリージング性,流動性に優れていることが明らかになった。 2.強度に関しては,フライアッシュを混合することにより低下するが,要求される強度に応じてセメントにフライアッシュを混合すればフライアッシュセメントを有効利用できることが分かった。 3.充填後の温度上昇もフライアッシュセメントを用いることにより抑制できることも示した。 4.採掘空洞へのフライアッシュセメントの充填に効果があること、さらにスレーキング性岩石の処理材料やずり堆積場斜面の安定性確保へのライニング材料として、フライアッシュセメントの有効利用の妥当性について示した。
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