研究課題
環境問題が広域化・複雑化する中で、環境汚染の予見・予防・保全技術に関する総合的な研究への展開が緊急に求められている。しかし、土壌や岩石と言った地盤材料内部での地層汚染問題、つまり汚染物質の地盤材料中での拡散・分散については未解明の点が多く、かつ研究方法も十分に確立されていないのが現状である。汚染物質の拡散・分散の主たる経路として考えられるのが地盤材料中に存在する亀裂であり、亀裂内の流れを大きく支配するのが亀裂の開口幅である。そこで、本研究では、まず、X線CT(X-ray Computed Tomography)画像データを用いて不均質材料中に存在する亀裂の開口幅を評価する方法を提案し、その有効性について検討した。まず、開口幅が既知の平板亀裂に対して亀裂開口幅評価法を適用し、画像解析による評価法の精度を検討した。さらに、亀裂表面形状が複雑な割裂亀裂に同方法を適用し、3次元測定器による表面計測結果と比較検討した。いずれの場合も0.05mm程度の精度で亀裂開口幅を評価できることを示しX線CTによる非破壊評価法の有効性を示した。次に、岩石内部での汚染物質の拡散・分散現象をX線CTを用いて可視化した。汚染物質の移流・拡散現象を分析するためには、拡散による影響、分散による影響を個々に分析する必要がある。そこで、停止拡散実験により拡散係数を、さらにその結果を基に1次元流れ場における分散定数の評価を評価する一連の評価システムを開発した。さらに本研究では、X線CTスキャナーで分析可能な高密度造影剤を開発した。その結果、試料内部での密度分布の経時変化から具体的に拡散係数ならびに分散係数を定量的に評価できることを示した。
すべて 2004 2003
すべて 雑誌論文 (6件)
資源と素材 120・9
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