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2005 年度 実績報告書

マラリア媒介蚊ガンビエハマダラカグループの同所的共存機構

研究課題

研究課題/領域番号 15770012
研究機関長崎大学

研究代表者

都野 展子  長崎大学, 熱帯医学研究所, 助手 (60295102)

キーワード昆虫 / 環境 / 応用動物 / 生態学
研究概要

ガンビエハマダラカグループの2種An.gambiaeとAn.arabiensisはサハラ以南アフリカに蔓延する最も深刻なマラリア媒介蚊である。この2種の幼虫は日当たりの良い場所にある短期間発生する雨後の水溜りなどで繁殖することが知られている。しかしなぜそのような繁殖場所が好まれるのか環境要因のうちのキーエレメントは未だ明かでない。An.gambiaeの若齢幼虫をケニア西部高地にある原始林カカメガの森の中と外に導入しその生存率を比較した結果、森の中と林縁でガンビエハマダラカの生存率が低かった。生存率の低さは水温の低さでは説明できない変異量が大きく、開けた場所においたサンプル内の生存率の違いを十分説明する環境要因はこの実験で測定されていない要因であることがわかった。その要因は各サンプルないで発生している植物プランクトンのハマダラカ幼虫の栄養源としての質と量であると推測された。今年度は植物プランクトンを定量しつつ、An.gambiaeとAn.arabienesisの幼虫を飼育実験を行い、植物プランクトンの生育への影響を評価した。過去に行った西ケニア低地のキスム(海抜1100m)で行った野外観察から推定されていた緑藻類の1種であるRhopalosolenという種類がハマダラカコンプレックスの成長に適すると推測されていた。飼育実験の結果および羽化個体について行った安定同位体解析はこの予測を支持したが、An.gambiaeとAn.arabienesis2種間に食物資源に対する要求に微妙な違いが観察された。この幼虫期の栄養要求の違いがこの2種の同所的共存を可能にしているのかもしれないが結論づけるにはさらなる研究を必要とする。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] The association between phytoplankton, Rhopalosolen species (Chlorophyta ; Chlorophyceae), and Anopheles gambiae sensu lato (Diptera : Culicidae) larval abundance in western Kenya2006

    • 著者名/発表者名
      Tune N, Githeko AK, Nakayama T, Minakawa N, Takagi M, Yan G.
    • 雑誌名

      Ecological Research 21・1(In press)

  • [雑誌論文] Survivorship of Anopheles gambiae sensu stricto (Diptera : Culicidae) larvae in Western Kenya highland forest.2005

    • 著者名/発表者名
      Tuno N, Okeka W, Minakawa N, Takagi M, Yan G
    • 雑誌名

      Journal of Medical Entomology 42・3

      ページ: 270-277

  • [雑誌論文] The relative importance of spatial aggregation and resource partitioning on the coexistence of mycophagous insects2005

    • 著者名/発表者名
      Takahashi KH, Tuno N, Kagaya T.
    • 雑誌名

      Oikos 109

      ページ: 125-134

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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