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2003 年度 実績報告書

高等植物のクロロフィリドaオキシナーゼ(CAO)活性調節機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 15770020
研究機関北海道大学

研究代表者

田中 亮一  北海道大学, 低温科学研究所, 助手 (20311516)

キーワードクロロフィル / 光合成
研究概要

緑色植物の光化学系において、光捕集に中心的な役割を果たしているのはLHCと呼ばれるタンパク質・色素複合体である。LHCの量は、植物が生育する光環境によって、変化する。この変化は、植物の光環境への適応に重要な役割を果たしていると考えられている。LHC量の調節は、LHCアポタンパク質の転写ではなく、このタンパク質に結合するクロロフィルbの量によって行われていると考えられている。申請者は、このLHC量の調節メカニズムを明らかにするために、クロロフィルb合成酵素であるクロロフィリドaオキシゲナーゼ(CAO)について以下の研究を行った。
CAOタンパク質は、葉緑体へのトランジットペプチドに加えて、3つのドメインからなっていることが明らかとなっている。すなわち、陸上植物のみにみられる、N末端のAドメイン、活性部位を含むCドメイン、この2つの領域をつなぐリンカーと考えられるBドメインである。
申請者はまずこれらのドメインを発現する大腸菌で過剰発現させ、クロロフィルbの合成活性を測定してみた。しかし、活性は検出されなかった。そこで、これらのドメインをシロイヌナズナのCAO欠損株で発現させてみた。Aドメインを発現させたものは、全く活性が見られなかったが、大量のタンパク質のストロマに蓄積した。Cドメインを発現させたものは、全長のCAOを発現させたものに比べて非常に高い活性が見られ、大量のタンパク質が包膜とチラコイド膜に検出された。また、シロイヌナズナの野生株でAドメインを発現させたものは、全くタンパク質の蓄積が見られなかった。これらの結果は、クロロフィルbの存在下でAドメインを含むタンパク質を分解する機構が葉緑体の中に存在することを示唆している。今後、この機構をさらに詳細に解析していく予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 田中亮一, 平島真澄, 佐藤壮一郎, 田中歩: "The Arabidopsis-accelerated cell death Gene ACD1 is Involved in Oxygenation of Pheophorbide a : Inhibition of the Pheophorbide a Oxygenase Activity does not Lead to the "Stay-Green" Phenotype in Arabidopsis"Plant and Cell Physiology. 44. 1266-1274 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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