研究概要 |
概日リズムは生物に普遍的に存在する高次機構で、絶えず変化し続ける周囲の環境の中で生命活動を営むにあたって必須の制御機構でおる。我々は、シロイヌナズナの2つの概日リズム制御因子LHYとCCA1を同時にノックアウトし、これらがア)概日リズム制御下にあるマーカー遺伝子の、恒明条件下での周期的な発現維持に必要であること、イ)恒明条件下での周期的な葉の上下運動の維持に必要であること、ウ)光周性体存型の花芽形成制御系で重要な機能を有することを明らかにしてきた。 本研究では、花成に関わるマーカー遺伝子群の発現解析、光周性依存型の花成に関わる遺伝子の機能欠損変異とlhy cca1との多重変異体に関する遺伝学的解析を行った。これにより、LHY/CCA1は「花成に関わる3つの因子、GI-CO-FTの転写カスケードの制御」を介して花成時期を決定していることを明らかにした(Mizoguchi et al.,投稿準備中)。一方、PIF3はLHY/CCA1を介さずにFT発現上昇を通して花成制御に関わることを明らかにした(Oda et al.,2004)。また、概日リズム制御に関わる新たな因子の単離同定を目指し、lhy及びlhy cca1の形質を増強させる変異体をスクリーニングし、新規な変異を同定した(Oda et al. ; Fujiwara et al. ; Fujiwara et al.,投稿準備中)。これらのうち3つについては、原因遺伝子を同定した。
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